世界の戦車イラストレイテッド21/III号中戦車1936-1944
著者:ブライアン・ペレット
カラーイラスト:マイク・バドロック
訳:山野治夫
B5判ソフトカバー/47ページ(掲載写真32点)
初版年:2003
ISBN:9784499228077
III号戦車は、ドイツ軍が新戦術「電撃戦」を成立させるべく開発した主力戦車であった。当初は生産が進まず、電撃戦の主役を軽戦車に譲っているが、電撃戦の最高潮の時期には、III号戦車はドイツの戦車装備のなかで、真にあてにできる唯一の兵器となった。実現しなかった英国上陸作戦のために潜水戦車が開発され、北アフリカの砂漠ではドイツアフリカ軍団の主力を担った。一方東部戦線ではT-34やKV重戦車との激化する戦闘に苦渋をなめることとなる。III号戦車の基本設計は優れていたが、後に砲の破壊力と装甲防御力増大の競争が始まると、、ついに改良の限界が訪れた。英仏海峡からボルガ川まで、北極圏から北アフリカの砂漠まで、ヒトラーの野望を達成すべく駆けめぐったIII号戦車はIV号戦車長砲身型やパンター戦車にその任務を譲った。そして、大戦末期には、支援、指揮用戦車として、また、機甲砲兵連隊の観測任務に用いられた。