第三帝国の要塞
著者:J・E・カウフマン&H・W・カウフマン/訳:平田光夫
A5判・ハードカバー/352ページ
初版年:2006(8.3)
ISBN:9784499229135
1930年代、ドイツ陸軍は国境線を要塞化すべく西方防壁の建設に着手した。1940年にはドイツは占領地のいたる所に要塞防衛線を構築し、さらに新たな防衛体制を確立しようとした。そこで英仏海峡の海岸線に大西洋防壁を建築したが、それはノルウェーの極北地方からフランコ政権下のスペイン国境にまで達する長大なものだった。これはさらにUボートブンカーと重砲台によって補強される。一方、帝国領空は夜間戦闘機隊と高射砲部隊からなる複雑な防空体制によって固められる。やがて空襲から国民と軍を保護するため、ドイツの諸都市には巨大なブンカーが建設された。1943年、ヒットラーはソヴィエト軍の進撃を食い止めるためにも有力な防御施設が必要であることにようやく気づく。翌1944年のソ連軍の夏期大政勢後、一昔前に作られた旧式要塞群を補完するため、多数の新型要塞を導入した新東方防壁が構築される。さらに南方から迫る連合軍に対しても、特別防御陣地がバルカン半島とイタリア本土の各地に構築された。こうして、自らの帝国を守るため、ヒットラーが要塞化した地域は歴史上、類を見ないほど大規模なものとなった。本書は、その全貌を図版と解説によって解き明かす世界初の出版物である。