いつも行くなら(+行ってた)こんな店〜セレクト再録集〜◎B5判30ページ
『月刊モデルグラフィックス』創刊30周年記念!1990年から連載開始。当時そこかしこに存在し、子どもやモデラーたちで賑わった”町の模型店”を取材した名物コーナー。その一部を再録&常連だったモデラーや当時の関係者などの思い出コメントを追加掲載。デビュー直後の
滝沢聖峰先生が描いた店の俯瞰図も必見です。
あのころ通った店 憧れていた店
作る前に行く、途中まで作ったら行く、買い足しに行く、店員さんと話に行く、完成したら見せに行く、用事がなくても行く……それが町の模型店!
始めに 月刊モデルグラフィックス(以下MG)創刊30周年。パーっと派手なことをやるのはMGらしくない、けれど、昔からの読者様になにか楽しいものを提供できないか……。そのヒントを求めてまずはバックナンバーを漁るところから始めた。なにしろ編者は模型歴も読者歴も浅いもので、見る物すべてが新鮮。「へー!」「ほー!」と感心しながら読み進めていたわけだが、ふと「いつも行くならこんな店」が連載していたあたりになって「あれ? 町の模型店っていつごろから見なくなったっけ?」という思いがムクムクとわき上がった。模型歴は浅いとはいえ、自分が模型を始めたころはまだ近所に何店かあったし、お店の方ともお話させていただいた。製作途中のものを持っていき「で、どんな風にしたいの?」と聞かれて「カッコよくしたーい!」みたいなド初心者な発言に頭を抱えられていたものだが、あれから幾年。模型が仕事になり少しはマトモな会話もできよう、いざ!……と思ったら、時すでに遅し。
ネット環境があれば模型も道具も、入手にはほとんど困らない。けれど、私は憧れていたのだ。某漫画の某店のように、いきつけの模型店に気のイイ店長がいて「コレ入ったから取っておいたよ」「まいったなぁ、今金欠なんだけど(でも買う)」みたいなやりとりがあり、常連さんたちと作品を見せあったり和気藹々おしゃべりして……、模型がうまくなったらきっと!と夢見ていたのだ(その後、夢見すぎ!と各所から突っ込まれた)。
まあ、幸い(?)私は勝手に夢見ていただけだが、長年の読者の方々は、これに近いやりとりをしたごひいきの店があるorあった人も少なくないだろう。そして、模型少年&青年たちにとって、そこはただ物を買うだけの場所ではなかったはず。それを証拠に、かき集めた「いつも行くならこんな店」記事を見ながら、編集部のベテランスタッフたちはがぜん店の思い出話で盛り上がり始めたのだ。
そして盛り上がりのまま「よし、これをまとめてみよう!」ということになり、まずは営業しているかのチェックを開始した。営業中店舗は予想より多かった。けれど、電話でお話してみると、連載時より軽く20年は経っているから、当時のお店の方はすでにいないかご高齢。「ウチだけでもがんばろうと思ってるんだ。でも、もう歳だからねぇ」「子どもも来なくなっちゃったね。昔は学校が終わると夕飯まで子どもたちがずっといたものだけど」といった寂しいお話ばかりをうかがうことになった。
そして本書の最後に掲載したポラリスさんに連絡を取ると、今年12月を持って閉店と……。おなじみMG名誉教授・岸川靖氏も足繁く通ったお店である。
カッコよくいうと、なんとなく、運命のようなものを感じた。
この本に自分が通っていた店そのものは掲載されていないかもしれない、けれど、思い出すはず。あのころの自分の秘密基地を。もし、幸運にもそのお店が今も営業しているなら、「ひさしぶり!」と行ってみてはどうだろう。店長さんはきっと笑顔で「アレ取っておいたよ」と返してくれるはず(だから、夢見すぎ)。そんな風景が見れるといいな〜という思いも込めて、この一冊を送ります。(編集担当N)
記事を再録するにあたり、「昔からの読者様にこの連載が掲載されていた当時を懐かしんでいただきたいので、そのまま再録したい」という本書の主旨をご理解いただきご協力くださった店舗様、関係者の皆様に深く感謝いたします。※一部、修正を行なっている箇所はあります
閉店している店舗様も可能な限り関係者の方を探して承諾を得て掲載いたしました。しかし、残念ながらどうしても連絡の取れない店舗様もありました。該当店舗の関係者様がご覧になりましたら、ぜひアートボックスまでご一報いただけますと幸いです。
編集/製作:株式会社アートボックス
発行:株式会社大日本絵画
発売日:2014年12月19日
※数に限りがございます。品切れの際はご容赦ください。
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※送料はモデルカステン製品の区分となります。